プロジェクトの萌芽
理念を具現化する『TOWN CREATOR』として
“上大岡モデル”の創出へ。
2019年10月、鎌内は企業理念策定プロジェクトの最年少メンバーとして、グループオーナーへのプレゼンを担当した。その席で彼は、こう切り出した。「ビジョンやミッション実現のための具体的戦略キーワードの一つとして、我々は『わくわくTOWN CREATOR』を志向すべき、と提案します」。オーヴァルの強みである不動産開発×事業開発というビジネスモデルのさらなる進化。すなわち展開事業を、一つの商業施設や一棟の所有ビル内で完結させず、街というフィールドにシームレスに広げていくのだ。一見、他のデベロッパーが展開する都市開発的発想と同様に見えるが、鎌内の頭の中では明確な独自性を持って構想が描かれていた。「都市の規模は、人口20万から50万人程度に限定します。比較的都心に近い、 “ありふれた街”に魅力づけを行いたい。そこに我々独自のアイディアやわくわく感を盛り込んでいく。モデル事業の地を選ぶとすれば、創業の街、上大岡以外にはないと考えます」。
プロジェクトの現在地
地域や行政と共創、想いとアイディアで
“上大岡モデル”を大成。
鎌内はそれ以前から、いろいろな布石を打ってきた。例えば地域との連携強化。2016年から上大岡akafoo parkを舞台に行われてきたハロウィンイベントを、2019年には地域最大規模にまで引き上げた。その主要因は、地道に地域を巻き込んできた“一体感づくり”にある、と鎌内は言う。「商店街や地元飲食店、地元経営者の方々に声がけをし続け、徐々に皆さんに主体者になっていっていただいた。その“共創の成果”がコロナ禍を乗り越えつつある2022年、花開きました」。オーヴァルはついに、タウンクリエション事業のモデルケースを創業地・上大岡で手に入れる。「市役所、区役所といった行政、これまで連携できなかった百貨店様、商店会様、商業施設様とも初の連携を果たし、ここに我々のakafoo parkを加えると、京急線上大岡駅を中心に、ぐるりと楕円を描く形が出来上がります。この大きな楕円=オーヴァル型のフィールドが上大岡ハロウィンの舞台となるわけです。そして、自社施設では、AR(拡張現実)を取り入れたドーム型フォトスポット、公式アンバサダーアイドルによる、YouTubeを活用した生配信イベントの同日開催など、デジタルの仕掛けも忘れない。あとは主役である子どもたちがどれだけわくわくしてくれるのか?結果は、動員数、経済効果とも過去最高数値を叩き出すことができました」。そう笑顔で語る鎌内であったが、すぐにビジネスモードへと表情を変え、「ここがスタートラインでここからが本番です」。
プロジェクトの未来
デジタル×リアルを加速させ、
タウンクリエション戦略のグループ横展開へ。
デジタルとリアルを融合させたタウンクリエイション事業の進化。そして“上大岡モデル”の他エリアへの展開。鎌内の目線は先を追い続ける。「横浜市のDX推進強化、港南区の『デジタル実証実験区役所』認定を追い風に、デジタル、リアル双方向からタウンクリエイション戦略を加速させています。すでに、デジタルカフェ&アカデミーという新しいコンセプトを持つ神奈川県最大級eスポーツ施設を、事業責任者である森(PERSONページ参照)、そして、デジタル教育では、川端(PROJECTページ参照)、富田(PERSON
ページ参照)とともに開業しました。彼らとは、メタバースやNFT、ロボットといった“少し先行く”新ビジネス領域へと今後の話が加速しています。“上大岡モデル”の深化と進化を止めるわけにはいきません」。その実現には“共謀者”とも言える仲間が不可欠だと鎌内は語る。「管理部の新山(PERSONページ参照)にも依頼していますが、「“少し先行く、アイディアを”形にできる舞台を用意して、特に、デジタルマーケティング領域で、人材を積極募集中です」。タウンクリエイション戦略の横展開も忘れてはいない。「こうしたコンセプトモデルを、オーヴァルが観光地など一等地に不動産を有する複数のエリアへ。例えば、隈研吾建築都市設計事務所さんにも参画いただいている『軽井沢ワイナリー事業』、アフターコロナで客足が戻り活況の、『横浜中華街新商品&新コンテンツ企画開発』、来年リニューアル予定の『アイザ鎌倉プロジェクト』へも展開中です。“想うを、創る”をどんどん進化、加速させていきます」。